症例紹介

Case introduction
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膀胱結石


今回ご紹介するのは、わんちゃんの膀胱結石のお話です。

犬にも猫にも膀胱結石があります。これまでにも、ウサギやモルモット、チンチラなどいくつかの動物での膀胱結石をご紹介してきました。当然、人間にもあります。

結石の成分はそれぞれ異なり、犬や猫の場合、8割以上はストルバイト(リン酸マグネシウムアンモニウム)とシュウ酸カルシウムのどちらかだと言われています。それに対して、人間ではシュウ酸カルシウムがほとんどだと言われています。

結石が出来てしまう原因は人間で分かっていることほとではありませんが、いくつかあって、食餌の影響、膀胱内の感染症、その子の代謝の問題などが挙げられます。

今回のわんちゃんは、おそらく体質なんでしょうか、以前より市販食では尿中に結晶が形成されてしまうことがわかって、療法食を食べていました。それにも関わらず、レントゲン検査で膀胱内に10個程度の大きな膀胱結石が形成されてしまいました。

食餌療法で溶かすこと治療もありましたが、相談の結果、外科的に摘出することになりました。人の治療でやられているように体外から衝撃波を与えて粉砕する方法がとれないので、開腹手術で摘出するのが一般的です。

膀胱結石は取り除いておしまいっていう病気じゃないので、予防こそが重要な命題となっております。結石分析して適切な食餌を続けていきましょう。

膀胱結石のレントゲン写真

レントゲン検査をしてみると、お腹の中に石が数個ありました。位置的にも膀胱結石で間違いなさそうです。

膀胱を体外に引っ張り出した様子

お腹を切って、膀胱を体外に引っ張り出したところです。今から尿を吸引して汚染しないように膀胱結石だけ摘出します。

膀胱結石摘出の様子

無事、摘出することができました。

摘出した膀胱結石の写真

こんなにいっぱい膀胱内に結石がありました。摘出した石を結石分析に提出します。分析の結果、ストラバイトとシュウ酸カルシウムが合わさったものでした。手術して終わりではなく、食餌療法で再発防止を心がけましょう。

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