今回ご紹介するのは、血便がみられたセキセイインコさんのお話です。
僕ら人間とそれ以外の動物では「血便」で抱くイメージ、緊急度は大きく異なるのではないでしょうか。おそらく、自分が血便だったとしても一過性の場合はそんなに気にしない、様子をみても自然と良くなるぐらいにしか思っていない方がほとんどだと思います。それに対して、自分が飼っているペットが血便をしていたら、「大変だ!すぐに病院につれていかなきゃ・・」と心配になるかたが多いのではないでしょうか。
人間と動物では同じ「血便」でも自分が経験してどの程度の異常なのか、感覚的に分からないから、余計に心配になるのではないかと思っています。
実際に、人間と動物では血便が意味する病気は異なる場合があります。例えば今回のセキセイインコさん、血便を主訴に来院されました。
みてみると、便に赤いものが付着しています。
顕微鏡でみてみると、確かに赤血球が確認されました。どこかで出血が起こっているようです。 鳥さんの場合、便に血液が付着していたとき、総排泄腔や卵管、尿管からの出血が便に付着して排泄された可能性があります。
また、このセキセイインコさんは嘴に内出血のあとがみられたため、肝機能不全から出血傾向になっている可能性が考えられます。
つまり、肝臓が悪くなってどこかで出血がおこり、便に付着して血便のようになっていたということみたいです。なので、今回のセキセイインコさんは整腸剤のような消化器系のお薬ではなく、肝臓のお薬を飲んだら、出血も治まり良くなってくれました。
セキセイインコさんの便の写真。便に赤いものが付着しています。どうやら出血がみられるようです。
くちばしにも、血斑(内出血)がみられます。こういうときは外傷か肝機能不全が疑われます。
おそらく、肝機能不全から出血傾向にあり、排便時に出血がみられたものと考えられ、肝臓の治療をすることになりました。経過は良好です。
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