今回ご紹介するのは、胃がお腹の中でひっくり返ったグレートデンさんのお話です。
この病気は大型犬や超大型犬で比較的一般的にみられる急性疾患で、致死率は高いとされています。胃の中にガスが異常に貯まってしまって、運動などが原因となり胃がひっくり返って(胃捻転)ねじれてしまいます。
そうなると胃も大変なことになりますが、その周辺にある臓器、脾臓や消化管にも問題が起こったり、門脈や後大静脈などの太い血管が拡張した胃で圧迫されて虚血や低酸素、不整脈がみられることもあり、そうなると致命的になることも多いのです。
そういった理由から大型犬や超大型犬は、胃拡張捻転の予防的手術を避妊や去勢手術と一緒に行う事もあります。うちの頼丸も去勢手術のときに、一緒に胃を腹壁に固定する手術をして胃がひっくり返りにくいようにしてあります。
今回のグレートデンさんは急にぐったりしてご飯もたべず、嘔吐のしぐさをして苦しそうだという事で来院されました。お腹がポンポンに膨れています・・・。レントゲン検査をしてみると、胃の中にガスが充満しており、胃の出口が反対側に位置していました。
やはり、胃拡張捻転症候群でした。こうなると、緊急手術です!
すぐに開腹手術して、胃と十二指腸を正しい位置に整復したのち、再発予防のために腹壁に胃の一部を固定しました。
手術はうまくいって、術後の経過も良好です。早期発見できたので、大事にはいたらなかったようです。良かったです。
胃拡張捻転症候群になってしまったグレートデンさんの腹部レントゲン写真。赤丸で示した黒く色が抜けている場所が胃です。本来の胃はその半分以下くらいで腹部の大半を空気を含む胃が占めてしまっているのが分かります。
ひっくり返っていた胃を整復して腹壁に胃の一部を固定した所の写真です。その他の内蔵には異常はなさそうです。予後はいいかもしれません。
手術が終わって、術後の経過も良さそうです。この写真と今回の症例は直接関係ありませんが、同じグレートデンということで種々の写真の後の気分転換にご覧下さい。
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