今日のお話は、お腹に大きな腫瘍のあるジャンガリアンハムスターさんのお話です。
この子は、お腹の腫瘍を主訴として来院されました。 ハムスターさんの体長はおよそ6cmほど。対してお腹の腫瘍は直径2cmほど。 他の動物病院では「摘出手術は不可能」といわれたそうです。
確かに、腫瘍のサイズも大きく尿道も近い場所にありました。
これだけ大きな腫瘍だと、当然出血量も増えることが予想されます。しかしハムスターのような小さな体の子は、輸血が非常に困難なのです。 しかも彼らの出血量の安全域は、おおよそ1ccといわれており、ほんの少しの量が命に関わる量なのです。 そんなわけで、この子の手術は非常に繊細さを要する手術となりました。
手術は無事終了。
体重約40gに対して、腫瘍の重さは4g! 単純計算できるものではありませんが、イメージとしては60kgの人間のお腹に6kgの腫瘍を抱えていたようなものです。とんでもなく大きな腫瘍ですよね。
また、小動物たちの術後管理の難しさは、ワンちゃん猫ちゃん以上のものがあります。 よくある事なのですが、この子も手術した場所をかじって糸を何度かとってしまい、その度に縫い直しました。ナイロン糸はダメだという事で最終的にはステンレスの糸で縫い付けました。
しかし驚異的な回復力と生命力で、感染もおこさず今では傷口はきれいにくっついています。ここまで来れば、一件落着です。
抜糸の日、飼い主さんの息子さんも一緒に来てくれました。 その少年は帰り際に「ありがとうございました!」と、元気よく僕らに御礼を言ってくれました。 その嬉しそうな姿に、僕らもまた元気をもらったのでした。
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