症例紹介

Case introduction
症例紹介の写真

甲状腺機能低下症


今回ご紹介するのは、全身の脱毛と浮腫がみられたハムスターさんのお話です。

甲状腺機能低下症に関しては他の動物種で何度かご紹介しておりますが、簡単に説明しますと、代謝に関わるホルモンである甲状腺ホルモンが低下して起こる疾患で、活動性の低下や肥満、粘液水腫(浮腫をおこす)、全身の脱毛、貧血、低体温など様々な症状が見られます。

おそらく、犬や猫を診療の中心とした動物病院では高齢の犬で診断されることが非常に多いと思います。人間でも40歳を超える女性では注意が必要な疾患の一つだと思います

「代謝」に関わるホルモンなだけに、あちこちで機能しており、このホルモンが低下するだけで、上記にみられるような本当にいろいろな症状がみられます。死に直結するケースはそこまで多くはありませんが、比較的高齢でみられる疾患なため治療可能な「病気」ではなく「老化」で自己完結してしまっている飼い主さんも少なくないと思われます。

今回のハムスターさんは、全身の脱毛と表情の異常を主訴に来院されました。この特徴的な悲壮感漂う表情は、甲状腺機能低下による粘液水腫が原因でこのように見えてしまいます。(実際に状態も悪いのですが・・)全身の脱毛も同じ疾患による代謝の低下が関与していると思われました。

治療は比較的簡単で、甲状腺ホルモンを経口的に摂取するだけ!うまくいけば、写真のように劇的に良くなってくれます!!(この症状イコール甲状腺機能低下ではありませんので注意が必要)

甲状腺機能低下症の症状

ハムスターさんの甲状腺機能低下症。顔などが浮腫を起こして(粘液水腫)、とても悲しそうな表情となってしまいます。全身の代謝も低下するため、活動性も低下して、全身の脱毛もみられてしまいます。

甲状腺機能低下症の症状

治療を開始して約2ヶ月。全身の浮腫は無くなり、毛も綺麗にはえそろってきました(症状の改善は投薬してすぐにみられます)。代謝に関わる甲状腺ホルモンを補うだけで、本当に劇的に若返ったように見えます。

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