症例紹介

Case introduction
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不正咬合②


今回ご紹介するのは、上の前歯が伸びてしまったハムスターさんのお話です。

ご存知の方も多いとは思いますが、ハムスターの前歯は「常生歯」といって、読んで字のごとく常に生え続ける歯なのです。従って、歯が伸び続ける一方で、ご飯を食べたりいろいろなものを齧ったりする過程で適当な長さにまで摩耗して、正常な長さを維持しているのです。

しかしながら、ケージの中には金網を使用しているものがあり、そういった固いものを齧り続けてしまうと歯の根元から変形してしまい、曲がって歯が伸びてしまう事があります。

その結果、歯の噛み合わせが悪くなって、不正咬合という病気となってしまいます。

最初にも書いたように、生涯伸び続ける歯なので正常な摩耗が起こらないような方向に歯が伸び続けてしまうと、うまくご飯が食べられなくなったり、伸びた歯が口の中を傷つけたりいろいろな問題を起こしてしまいます。

今回のハムスターさん、最近よくご飯を残すようで、それに伴い痩せてきてしまったということで来院されました。聴診や触診、体重をはかって口の中をみてみると前歯が異常に伸びて上あごに突き刺さっていました。おそらく、これが原因でうまくご飯を食べることができなかったようです。

飼育環境を伺うと、どうやら金網のケージを使用しており、よく齧っていたようです。一度、歯の変形が起こってしまうと元には戻せません。定期的に前歯を切る処置が必要になってきます。

不正咬合②の症状

ここ最近、食欲が低下してきて痩せてきたということで来院されました。口の中を診てみると、上の前歯が伸びてきていました。どうやらこれが原因でご飯が食べられなかったようです。

不正咬合②の症状

伸びすぎた前歯を適切な長さに切りました。これで少しはご飯を食べやすくなったと思います。

不正咬合②の症状

伸びすぎて、切った前歯です。どうやら、前歯が湾曲して上あごに突き刺さっていたのでうまく噛めなかったのかもしれません。前歯は餌を食べやすい大きさに切る歯なので、それができなかったのも痩せてきた原因だと思われます。

不正咬合②の症状

根元から変形を起こしてしまった歯は元には戻せません。なので、定期的に前歯を切る処置が必要になりますが、原因が分かったのでうまく付き合っていきましょう。よく頑張りました!

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