今回ご紹介するのは、卵が詰まってしまった蛇さんのお話です。
女性にも大人気の“ヘビ”の一つとして一部の方には知られている「コーンスネーク」ですが、もちろん知らない方がほとんどだと思われますので、少しコーンスネークについてお話したいと思います。
北米に生息するヘビで日本固有種である「アオダイショウ」に対して「アカダイショウ」とも呼ばれています。その名の通り、赤やオレンジ、黄色といった色が配色されていますが、実際にみてみた方が早いでしょう(写真参照)。世界中で人工的に繁殖され様々なカラーバリエーションが作られています。
性格も温和で基本的には咬む事はありません。日本では申請が不要で飼育可能なヘビはすべて、毒はもっていません。基本的な公衆衛生管理ができれば感染症も特に問題ないとおもわれます。
ご飯も冷凍マウスなので、一般的に流通しています。毎日食べる訳ではないので、1ヶ月の食事代としても500-1000円程度だと思います。ケージも簡易なものだとプラケースでも大丈夫ですし、あとは温度管理で少し費用がかかるかもしれません。
さて、今回のコーンスネークさんですが、最初から卵詰まりの疑いで来院されました。というのも、すでに何個か卵を産んでその後も、お腹の膨らみがあるにも関わらず産卵が確認されなかったためです。(ちなみに爬虫類も鳥類と同じく、無精卵を産む事があります)
鳥さんの卵詰まりで何度かお話したように、卵詰まりは人間でいう「難産」に該当します。何らかの理由で産む事ができなくなっている状態です。命に関わるかもしれません。
お母さんの状態にもよりますが、なるべくはやく卵を出さなければなりません。
触診、レントゲン検査、エコー検査などで卵の位置、個数、状態を確認します。圧迫で出せそうなら、少しずつお腹を圧迫して無理なく出していきます。
卵管の感染が疑われましたので、抗生剤の投与と細菌の培養検査を実施しました。とりあえず、今回は3個の卵を取り出す事ができました。(あと1個残っています)状態をみながら、摘出を試みる予定です。
動画はこちら卵詰まりを起こしてしまったコーンスネークさん。赤丸で示したお尻の近くが極端に膨らんでいるのがわかります。
ヘビのレントゲン検査です、お腹のなかにぼんやりとうつる丸いもの、やはり卵のようです。
無事、卵が出てきました!残りの卵を摘出していきます。
とりあえず今日は3つだけ、取り出す事が出来ました!
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