症例紹介

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卵詰まり


今日のお話は、卵が卵管で詰まってしまう恐い病気「卵詰まり」になってしまった、クサガメさんのお話です。

卵詰まりは、産卵する動物に起こる病気です。まさの森・動物病院でも、鳥、蛇、カメ、トカゲさんたちの卵詰まりを診てきました。

今回のクサガメさんは、拾って飼育し始めたのが10年前、という古株のカメさん。毎年冬眠して、一年に卵を10個前後産卵していたそうです。元気満点な生活を送ってきただけあって立派な体格ですよね。我が家のそよかぜが一層小さく見えます。

詰まり具合にもよりますが、カメさんの卵詰まりは、殆どが手術を必要とします。しかし手術となれば一大事です。始めは投薬によって自力で産卵できるか様子をみていたのですが、自力では出ず、今回手術に踏み切りました。

レントゲンでもお分かりになると思いますが、無数の卵が体内に留まっているのが分かります。

手術当日。時間がかかる事が予想されたので、昼の手術時間ではなく夜に手術することになりました。8時30分作業開始。

お腹を開いてみると、卵がデルワデルワ!内蔵の半分くらい卵かと思う勢いで出てきました。完全に卵になっているものから、卵の元のようなものまで。

ずらっと整列させてみましたがとんでもない量でした。

回復した甲羅が塞がるまでの間、胃に通したチューブを使って食事を流し入れます。術後しばらくお預かりしていましたが先日無事退院されました。今は飼い主さんが、チューブからごはんをあげてくれています。甲羅がくっつくまで1〜2ヶ月の間、飼い主さんも大変ですが、何とか命はつなげる事ができました。

鶴は千年、カメは万年と言いますから、まだまだ長生きするかもしれませんね。手放しに安心できる所まで来たとは、まだ言い切れませんが、きっと元気になってくれるようあとは祈るばかりです。

卵詰まりの症状 卵詰まりの症状
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