症例紹介

Case introduction
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膀胱結石


今回は、隣県から来院された27歳のケヅメリクガメさんの症例をご紹介します。

カメには水棲、陸棲、半水棲とさまざまな生活形態がありますが、その中で膀胱結石のリスクが圧倒的に高いのは「リクガメ」です。 なぜリクガメだけにこれほど多くの結石が見られるのか、その理由と治療の実際についてお伝えします。

リクガメ特有の排泄メカニズム
カメの種類によって、おしっこの排泄方法は異なります。水の中で暮らすカメは、主に尿素やアンモニアとして排泄しますが、リクガメは排泄物のほとんどを「尿酸」という形で排出します。

この尿酸が体内で濃縮され、結晶化して固まってしまうことが結石の主な原因です。リクガメの中でも、特にケヅメリクガメは膀胱結石を発症しやすい種類として知られています。

今回のケヅメリクガメさんには、以下のような症状が見られました。

尿酸の排泄が確認できない: 本来出るべき白いドロっとした尿酸が出ていない。

お尻から粘膜が飛び出している: 膀胱にある結石の違和感により、排尿しようと強く「いきむ」ことで、総排泄腔から粘膜が脱出してしまうことがあります。

レントゲン検査を実施したところ、直径5cmにも及ぶ巨大な結石が確認されました。これほどの大きさになると自力での排泄は不可能なため、外科手術による摘出が必要となります。


手術はカメさんの元気と食欲があるうちに実施するのが理想的です。

全身麻酔と甲羅の切開: 全身麻酔をかけ、甲羅(腹甲)の一部を切開して膀胱にアプローチします。


結石の摘出: 膀胱を慎重に切開し、中にある石を取り出します。


甲羅の固定: 切開した甲羅を元に戻し、専用のセメントのような材料で強固に固定します。

切断した甲羅が完全に癒合するまでには約3ヶ月の期間を要します。その間は感染症を防ぎ、清潔な環境を維持するための徹底した管理が欠かせません。

膀胱結石を防ぐためにできること
膀胱結石は、日々の飼育環境によって予防できる可能性が高い病気です。

慢性的な脱水の防止: 常に新鮮な水が飲める環境を整え、定期的な温浴などで水分摂取を促すことが重要です。

食事内容の見直し: 高タンパクな食事の過剰摂取は尿酸の産生を増やします。その子の種類に合った適切な栄養バランスを意識しましょう。

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