今回ご紹介するのは、ハムスターさんの腸重積のお話です
腸重積という病気はこれもまた、いろいろな動物で報告があります。動物を飼った事がない方でも、赤ちゃんで時々起こる事があるのをご存知のかたも多いのではないでしょうか。
腸管の中に腸管が入り込んでしまう病気で、そうすると腹痛と血便などを起こします。当然、腸が折り重なってしまっているのでその部分で閉塞を起こし、食べたものはそれより先には行かなくなってしまいます。
時間が経ってしまうと折り重なった部分で血流障害から壊死を引き起こしてしまい、手術でその部分を切除して腸管同士をつなぎ合わせることが必要になることもあります。
今回のハムスターさんは腸重積を起こし、さらに便が出ないのでいきみすぎてそのまま脱腸をおこしてしまいました。
いったん、肛門から水圧をかけて脱出した腸管を整復したものの、二日後に再脱出したため、手術にて腸重積を整復し、壊死した組織を切除。腸管同士をつなぎ合わせる手術をしました。
しばらく絶食したのち、縫った腸管がくっついて、腸の蠕動運動が改善してお尻から便が出るのを祈るしかありません。 これほど、便を待ち望む手術はないのではないでしょうか。
お尻から何か棒状のものがでています。そうです、直腸が脱出しているのです。まずはこれを元にもどさないといけません。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、腸管の中に腸管が入り込んでいる、腸重積が起こっています(腸管がくびれている場所)。
重積を起こして折れ曲がった部分の一部が壊死を起こして、穴があいていたので、切除してつなぎ合わせていきます。(写真は壊死した腸管を切除したところ)
髪の毛より細い糸で縫い合わせていきます。ずれると穴があいてしまいます。無事、つなぎ終えました!その中に生理食塩水を注射器でいれて縫った場所から水がもれないか確認します。大丈夫、水漏れはありません。あとはお腹の中を洗って、縫っておしまい。
麻酔から覚めました。お疲れ様でした。
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