今回ご紹介するのは、膀胱の中に石が出来てしまったケヅメリクガメさんのお話です。
ケヅメリクガメはアフリカ大陸に生息する大型のリクガメで、ガラパゴスゾウガメ、アリダブラゾウガメに次いで大きくなる種とされています。いしかわ動物園でもふれあいすることができると思います。
かなり乾燥した地域に生息する事もあり、水分摂取が不要(あまり水を飲まないので与えなくて良い)と思われているかたも多いようですが、実際には飼育環境下では水分摂取は必須だと思います。
水分をあまりとらないというのであれば、水分含有量が多いレタスやキュウリを食餌の中に加えるのもいいかもしれません。そればかりだと問題を起こす危険性があるので、あくまで、水分摂取という目的でですが。
今回のリクガメさんもお水を飲まずに普段過ごしていました。健康診断で来院されたときにレントゲン検査を実施したところ、膀胱内に石があるのが確認されたため、症状が出る前に外科的に摘出することになりました。
手術には麻酔のリスクが伴います。またお腹の甲羅を切断しなければならないため、侵襲性もそれなりに高いものとなります。なので、適切な飼育環境を整えて、病気の予防が一番大切だと思います。
ケヅメリクガメさんのレントゲン写真。赤丸で示した場所、膀胱内に直径5cmほどの石が確認されました。この大きさになると手術でお腹を開けて摘出するしかありません。
全身麻酔で寝ているケヅメリクガメさん。人間や犬猫みたいに、期間内に気管チューブを挿管して維持します。
お腹の甲羅を台形に切っていきます。
甲羅を切ったところです。今から腹膜を切開していきます。
無事、膀胱結石を摘出することができました!
手術が終わって、気管チューブを抜いた所です。まだ、鎮静剤が効いているので眠そうです。よく頑張りました!(3日後にはご飯をもりもり食べて順調に退院していきました!)
【水陸両棲亀】獣医師が教える飼い方のポイント7つ
【水陸両棲亀】獣医師が教える知っておくべき病気5選
【リクガメ】獣医師が教える気をつける病気5選
獣医師が教えるリクガメの飼い方
まさの森・動物病院は、診療時間に来院いただくことが難しい場合に、様々な診療方法をご用意しております。
来院が困難な動物については午前と午後の診療の合間に、ご自宅までお伺いする往診にて診察・治療を行っています。
急患の場合には、夜間・休日の時間外診療をお受けしています。一人での診療になるため対応できない場合もございますが、精一杯診療させていただきます。
エキゾチックアニマルの診療可能な動物病院はかなり少ないのが現状です。当院は日本全国からのご相談にもZoomに繋いで遠隔にて対応させていただきます。
予約する
(完全予約制)