今回ご紹介するのは、お腹がポンポンに腫れてきたセキセイインコさんのお話です。
セキセイインコの雌の場合、お腹が腫れてくる病気の多くは繁殖関連の病気だと思われます。その内の一つが今回の病気、卵巣に液体がたまってお腹がポンポンに腫れてくる卵巣膿胞というものがあります。進行に伴い呼吸困難や食欲不振、排便困難、脚麻痺などいろいろな症状がでてきてしまいます。
そして、卵詰まりのときにもお話しましたが、この病気になってしまう原因が「発情」だと言われています。発情をコントロールすることができれば、卵詰まりや卵巣・卵管の病気を予防できることになります。
発情を抑制するためにも、是非とも知っておいて欲しいのは・・・
常にご飯をモリモリに置いておくのをやめる
ということです。
健康なセキセイインコの適正体重はだいたい30-35gとおもわれますので、その辺りを目標に体重の維持を心がけると良いと思います。そのために必要なご飯の1日量はだいたい体重の10%程度です。その量を一日に2-3回程度に分けて与えてもらっています。(僕らや犬と同じように決まった量を決まった時間に)
しかしながら、現在太っている(40gを越えている)セキセイインコさんの急激な食事制限は危険です。そういう子は一度、ご来院頂いて、飼育方法や今後の食餌管理に関して一緒に確認しきましょう。
お腹がポンポンに腫れてきたセキセイインコさん。エコー検査の結果、卵管ないしは卵巣に液体がたまっていると分かりました。飲み薬にもあまり反応しなかったので、外科的に摘出することになりました。
今から、卵巣と卵管を摘出する手術を始めます。ちょっと大変ですが、一緒に頑張りましょう!
まずは左の卵管を摘出していきます。
次は液体が貯まっている卵巣を摘出して行きます。その液体は針で刺して、できるだけ吸引して小さくしてから卵巣を摘出します。
無事、摘出が完了しました!お腹を閉じておしまいです。あとは麻酔からの覚醒を待つばかりです。
摘出した卵巣と卵管です。
覚醒も問題なく、すぐにご飯を食べ始めてくれました。術後の経過も良好です!
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