症例紹介

Case introduction
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くる病


今回ご紹介するのは、嘴の噛み合わせがおかしいセキセイインコさんのお話です。

成鳥での嘴の変形に関しては以前もご紹介しました。その時の原因は肝不全でした。(嘴の材料である蛋白質を合成する工場である肝臓が悪くなったせい)

それに対して、今回の嘴の変形は幼少期に起こってしまうものでいわゆる「栄養失調による病気」に該当します。犬や猫はこういった栄養失調による病気はほとんど無くなりましたが、鳥類や爬虫類やその他の小型哺乳類ではまだまだ多いように思います。

鳥類のヒナは哺乳類の5倍の速度で成長すると言われています。そのため、成長期には多くのカルシウムを必要とし、食餌に含まれるカルシウムが不足すると骨の成長に異常をきたしてしまいます。この病気を「くる病」といいます。

今回のセキセイインコさんも急激な成長に対して、給餌に含まれるカルシウムが不足していたものと考えられます。親鳥が食べているご飯に問題があるか、粟玉など栄養が不十分なご飯で人工的に給餌した場合、くる病になってしまいます。

成長にともなって、元に戻る場合もありますが、そのまま生涯をすごさなければならない場合もあります。特に骨に大きく変形がみられる場合は難しいとおもわれます。カルシウムが過剰でもなることがあるので、バランスのとれた各社パウダーフードを最初から与える方が無難かもしれません。

くる病の症状

くる病で嘴が変形してしまったセキセイインコさん。上嘴が短くなり、受けロになってしまいました。(本来は上嘴が下嘴より上にくる)うまく閉じる事ができません。

くる病の症状

横からみると上嘴が小さいのが分かります。受け口になっているので、正常にロを閉じれないので、ご飯を食べるのがたいへんそうです。

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