まさの森・動物病院
MASA-no-MORI Pet Clinic
-石川県金沢市の動物病院-

まさの森動物病院は、犬猫、エキゾチックアニマル診療・予約診療・往診を行う石川県金沢市の動物病院です。

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鳥類の症例紹介

名古屋コーチン

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※傷口の写真が生々しいので、苦手な方はご注意ください。

先日、名古屋コーチンさんが来院しました。
ペットショップの雌鳥なのですが、同居している雄鶏さんにつつかれたようで、右羽の裏に5センチほどの穴があいていました。

傷口から細菌感染したようで、皮と肉が剥離している状態でした。傷口から穴ぼこ状に開いた穴を覗くと、剥離した部分が袋状に広がっており、「鳥ムネ肉」がつるりと見える状態でした。
そんな状態であるため、本来あるべき位置に肩を維持できず、負傷した右肩だけ下方へ落ちています。

それでもコーチンさんは毎日元気にごはんを食べ、卵まで生んでいるというのですから、すごいですね。

急いで傷口の洗浄と点滴、投薬を開始。
経過は良好で、縫合もかんがえていたのですが、現在はきれいに治癒しました(写真右)。
羽も本来の位置に維持できるようになり、表情も違ってみえますね。なんだかキリッとした印象です。

ペットショップの方は遠方から熱心に通院してくださいました。
目の前にいる動物たちのことを大切に思う気持ちは、多くの飼い主さんと同じでした。

ショップの店員さんたちに毎日かわいがられて、益々元気になることを願います。

烏骨鶏のおじいさん

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先日、無事に退院していった、10歳のおじいさん烏骨鶏さんがいます。
片方の目が腫れた為に、餌までの距離が掴めず見当違いな場所を突いている、また、元気がないという主訴で来院されました。
診察の結果、上部感染症により慢性的に副鼻腔炎になっていたようです。その結果、鼻が完全につまり、常に口を開いて呼吸しています。
そして来院のきっかけとなった「目の腫れ」は、内部に留まっている細菌が目にまで広がったと考えています。

遠方の方であったこともあり、入院治療となりましたが、毎日の点滴と内服薬と点眼薬を継続したところ無事回復し、先日帰宅となりました。
今も自宅でお薬の飲水投与を続けていますが、現状維持できているとのご報告を頂き、嬉しい限りです。

エキゾチックは体調の悪さを、ギリギリまで気づかせないものです。
それは、弱肉強食の自然界に生きる動物の本能なのでしょう。
自然界では「弱そうな奴」はすぐに「強者の補食対象」にされてしまうからです。自然界での立場が弱者(被捕食者)であるほど、死ぬ間際まで平静を装うのです。
これまで入院した「食欲のない鳥さん」はみな、僕たちが見に行くと一生懸命食べるふりをしています。
「わたし、体調万全ですから!食べようったって、逃げちゃうから狙っても無駄よ!」
といわんばかりに餌をつつくのです。しかし体重をはかってみると、必要量を食べていない、と分かるのです。

自然界の厳しい「おきて」が動物を功名にさせるのでしょうね。

鳥さんのお話 〜胃がんのリスク〜

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今日は鳥さんの予防に関するお話をします。

先日セキセイインコさんが来院されました。
便検査を行った結果、病原性のあるカビの一種が検出されました。おそらく幼少期に親鳥から感染したと思われます。
このカビはセキセイインコでは比較的多くみられるものですが、見つけた場合は、カビ退治を推奨しています。

鳥さんの免疫機能が正常に働いている時は症状はみられませんが、加齢や病気などにより免疫力が低下してくると、悪さをし始めます。
例えば、胃炎を引き起こしたり、場合によっては胃に穴があいてしまうこともあるのです。
さらに、このカビは胃がんのリスクを高めるものなのです。

ですから症状が出ていなくても、発見したらやっつけるに限ります。
転ばぬ先の何とやら。

今回のセキセイインコさんは約1ヶ月間、自宅にて投薬を続け、現在カビは発見されていません。

防げる病気は未然に防ぎたいものですね。
元気な時でも年に1〜2度はぜひとも健康診断を受けてみてくださいね。

※来院される際は、脱走防止と温度管理などに配慮してください。方法等に心配がある方は病院までご連絡ください。

ヨウムの腫瘍切除 元気が一番!

ヨウム
今日は喉に大きな腫瘍ができてしまった「ヨウムさん」のお話をします。

年齢10歳、オスのヨウムさん(大型のインコ)で、普段は色々なお話や歌を披露して飼い主さんを楽しませてくれているようです。

診察中も入院中も、本当に優しい性格の子で、処置に手間取るということはありませんでした。あんまり可愛いのでついつい遊んでやりたくなるような癒し系な性格の子です。

そんな愛らしいヨウムくんですが、見ての通り、喉に大きなこぶができています。
幸いにも「そのう(食道の一部が膨らんだもの)」を絡んだものではなかったのですが、これを切除するというのは、大きなリスクが伴います。亡くなってしまう危険性も大いにあったのです。

ヨウム君に深い愛情を注いできた飼い主さんは、決断することが本当に恐かったと思います。
でも、僕たちを信じて大切な命を託して下さいました。

手術当日、ヨウム君を預けて病院を去る時の、飼い主さんの泣き出しそうな横顔が、心の中にある不安の大きさを物語っていました。



手術中、ヒヤっとする瞬間もありましたが、ヨウム君は見事、手術に耐えて帰ってきてくれました。
次の日からごはんを食べてくれてすぐに退院となりました。

術後の経過も大変順調で、とても嬉しく思っています。

やっぱり元気が一番!
喉元がスッキリして益々ハンサムなヨウムくん。
いつか歌声やお話している声を聞いてみたいです。

鳥さんの鉛中毒

鳥
鳥さんはきらきら光るものが大好き。

アクセサリーなどのキラキラしたものを突ついたり、おもちゃについている金具を突ついて遊ぶ行動を目にしたことのある人は多いと思います。

好奇心旺盛にあちこち探索しては突ついて遊んでいる姿は可愛いものですが、注意しなければならないことがあります。
それは、誤飲。
どんな動物でも誤飲の危険性に注意を払う必要はありますが、とりわけ鳥さんで注意したい誤飲が「なまり」の誤飲です。

実は、鉛は案外私たちの暮らしの中によく使われているものなのです。
例えばカーテンなどに使われる「おもり」、釣り道具のおもり、ケージの塗料などちょっとした金属製の金具なんかにもよく使われています。

そして、鳥さんの咬む力は自分たちがおもっているより強く、また鋭いため、金具をツンツンして遊んでいるうちに鉛を体内に取り込んでしまっているということがあります。

鉛中毒の診断は、症状とレントゲン検査で診断します。
血液中の鉛濃度を測定する方法もあるんですが、30gの小鳥さんには採血自体がなかなか困難な場合も多いので、一般的ではありません。
最初は案外元気なんですが、日を追うごとに元気や食欲がなくなってきます。


僕が鳥の臨床を勉強する前はこんな病気は教科書でしかみることのできない、過去の病気だとばかり思っていました。
しかし、実際に鳥の診療をすると、鉛中毒はごく一般的にみられる病気の一つでした。
それどころか、「鳥の臨床をする先生は鉛中毒の治療に必須の解毒剤を持っていないと鳥の臨床医ではない」といわれるくらい、鳥を診るドクターにとっては最もポピュラーな症例の一つなのです。

「おもちゃでよく遊ぶ子なんですが、最近だんだん元気が無くなってじっとしている」なんていう症状のある方はすぐさま病院へ受診されることをお勧めします。早い対処が鳥さんの明暗を分けます。

それではみなさん、今日もジメジメしていますが、元気に過ごしましょう!

セキセイインコの骨折

インコ
今回の病気の動物さんはセキセイインコさんです。
高いところから飛び降りてから、脚が着かずあげたままにしているとのことで来院されました。

みたところ、右足が内出血して赤黒くなっていました。さらに、その出血のせいで、あしはポンポンに腫れ上がっていたのです!

すぐにレントゲン写真を撮影することに。

写真をみてみると・・・
人でいう「すねの骨」が折れていました。

手術という選択肢もあるんですが、飼い主さんの希望もありギブス固定でやってみることに。

1ヶ月後、普通に歩けるように回復し、レントゲン写真で確認してみると、骨もくっついていました!

ギブス固定では手術より綺麗にはくっつきませんが、普段の生活には支障がないくらいまで改善することが多いです。

鳥さんも状況によっては高いところから落ちると骨が折れてしまいます。今回の鳥さんは発情中を繰り返し、卵を産んでいたため低カルシウム血症となり骨がもろくなっていたようです。
(卵の殻の主な材料はカルシウムです。自分の骨を溶かして殻をの材料を調達するのです。)

鳥さんの発情はいろいろな病気を引き起こしますし、そうじゃなくても体にかなりの負担がかかります。発情をさせないように飼育することがこれらの病気を予防し長生きする上で非常に重要だと、僕は考えています。

発情をさせない飼い方は・・・長くなるのでまた今度の機会に!

セキセイインコの疥癬症

セキセイインコ
今回ご紹介するのは、“疥癬(かいせん)”というダニに感染してしまったセキセイインコさんのお話です。

疥癬症は人間でもおこりうる病気です。疥癬というダニは肉眼で確認できないくらい小さなダニなんですが、皮膚の中にトンネルを掘ってその中で生活している のです。人間や犬猫の疥癬症ではかなり強いかゆみがありますが、セキセイインコさんでは全部が強いかゆみがあるわけではないようです。

このセキセイインコさんは他の病院から転院されてきました。その病院ではビタミン不足によるものだと診断されビタミン剤をずっと飲んでいたのですが、全く改善せず当院を受診されました。受診された時点でかなり進行しており、控えめに表現してもちょっとひどい状態でした。

疥癬症はその独特な皮膚の状態(軽石状の皮膚の増殖)から簡単に診断できます。(この写真をみたら、みなさんもすぐに診断できるのではないでしょうか)

多くは4、5回通院してもらえば、綺麗になおるんですがこの子はその倍の通院が必要になりそうです。途中経過ですが、かなり綺麗に治ってきてほっと一安心です。

セキセイインコのペローシス

セキセイインコ
今回ご紹介するのはペローシス(脚弱症や腱はずれなどともいわれます)という病気になってしまったセキセイインコさんをご紹介します。

この病気は生まれつきの病気で、かつてはいろいろな栄養不足が原因ではないかと言われてきましたが、現在はそれらの栄養状態を解消してもペローシスになってしまう雛が生まれてくることから遺伝的な問題ではないかと言われています。
写真にあるように、後ろ足が開脚した状態になってしまい胸で全体中を支えるような姿勢になってしまいます。そのため、このままだと成長に伴い胸の骨がつぶ れてしまい、呼吸に問題が出てきてしまいます。そういう問題が起こらないとしても、自分で自由に歩くことができず飼育していくとなると飼い主さんの負担も 大きいものとなります。

生まれつきの病気ではありますが、発見が早ければ矯正で多くは改善します。テーピングによって正常な姿勢を保てるように脚を矯正するのです。この子も約 1ヶ月間矯正テーピングをしてここまで立ち上がれるように改善しました。まだまだ不安定ですが、動物達の適応力は私たちが想像する以上にすごく、あとは筋 力がついてくれば普段の生活に支障がないレベルにまで改善してくれます。

足が痛くてうまく歩けない鶏さん

鶏
今回ご紹介するのは足が痛くてうまく歩けない鶏さんのお話です。

この鶏さんはおとついまで元気だったのに、急に右足にうまく体重がかけられなく、痛そうにして歩いているとのことで来院されました。元気食欲もいつもより無くて、飼い主さんも心配しておられました。その飼い主さんの不安な表情、何とか良くしてあげたいという想いからこの鶏さんがとても可愛がられているのが伝わってきます。

うまく足が着かない原因はいくつかあります。関節炎、感染、骨折、脱臼などです。今回は、診察室に鶏さんが入ってきたときに独特なにおいがしました。僕た ちは比較的慣れているのですが、どこか化膿しているときにこのようなにおいを感じることがあります。おそらく感染によるものではないか、と思い触診と視診 をしてみると、右足の関節が腫れて膿がでていました。

一応、レントゲン検査をして骨折や関節炎がないことを確認して抗生剤の注射と内服を処方しました。鶏さんにお薬を飲ませるのはなかなか大変なことだと思いますが、飼い主さんにも頑張ってもらい無事、今回も事なきを得ることができました。

僕たちは直接動物達の治療をすることもあるのですが、その動物達と飼い主さんが治療するのをサポートするところも非常に多いのです。通院の場合、動物達を連れてくるのも飼い主さん、投薬を含めた看病をしてもらうのも飼い主さんなのです。

オカメインコの糖尿病

20170423

今回ご紹介するのは、糖尿病になってしまったオカメインコさんのお話です。

糖尿病は皆さんも聞いたことがある病気の一つだと思いますが、人だけの病気ではなく、これもまたいろんな動物種で報告がされています。僕が経験しただけでも、犬、猫、ハムスター、セキセイインコ、オカメインコなどで確認されています。

鳥に関しては他にもいろいろな鳥種で報告されていますが、多いのはセキセイインコとオカメインコです。

血糖値のコントロールは概ね二つのホルモン、下げる作用のインスリンと上げる作用のグルカゴンのバランスで成り立っています。人はインスリンによる血糖値のコントロールが優位で全体の70%に及びますが、鳥の場合は逆でグルカゴンによるコントロールが優位とされています。

なので、鳥の糖尿病の場合は、人や犬や猫みたいにインスリンを注射して血糖値をコントロールするような症例ばかりではありません。むしろ、そういった症例の方が少ないと思いますし、実際に飼い主さんが毎日インスリン注射を鳥にするのは無理だと思います。

まだまだ、分かっていない所も多いのですが、鳥の糖尿病の治療は内服による血糖値のコントロールをメインとしています。血糖値を毎日計測するのも困難なので、モニタリングも大変ですが尿の中にどれぐらい糖分が含まれているか、体重の増減をみながら治療をしていきます。


コザクラインコの熱中症

20170419

今回ご紹介するのは、熱中症になってしまったコザクラインコさんのお話です。

熱中症は人間も含め身近にある病気の一つなので、どういう病気なのかご存知の方も多いと思います。人間や犬などでみられる熱中症とは異なり、鳥の場合は冬場や季節の変わり目、保温器具による過剰な室温の上昇が原因で発生することが多いように思います。

病気の鳥さんの場合も注意が必要で、保温した方が良いということをご存知のかたで過剰に保温しすぎて、病院までの移動中に熱中症になってしまうこともあります。

熱中症になった場合の症状としては、口を開けて呼吸したり、翼や足を広げて体温を下げようとしたりします。発見が遅れてしまうと、重度の脱水症状から虚脱、痙攣を起こし死亡してしまうこともあります。

今回のコザクラインコさんも、4月中旬の時期、予想に反して昼間に暖かくなったにも関わらず保温器具を使用したままの状態だったようです。帰宅してみてみると上記の様な症状がみられぐったりしていました。

早めの対応で事なきを得ることができました。
保温器具を使用される場合は、出来ればサーモスタットを併用された方が良いと思います。


皮膚が裂けてしまったキンカチョウ

20170412

今回ご紹介するのは、猫に襲われてしまったキンカチョウさんのお話です。

当院に来院される飼い主さんは2種類以上の動物を一緒に飼われているかたが比較的多いと思われます。基本的には異なる動物種はお互いに幼少期から一緒であれば順応して仲良く暮らす事ができる場合もありますが、片方が大きくなってからだとなかなか順応するのが難しいことが多いように思います。

特に問題となるのが、自然界での食物連鎖で上下関係にある場合です。
具体的には今回の「猫と鳥」のように、肉食動物と捕食される側である小動物の関係でトラブルがおこります。

猫の口の中や爪にはいろんなばい菌がいます。攻撃された時にその菌が傷口に入りますが、それが小さな動物の場合は致命傷になることもあります。

今回のキンカチョウという鳥は体重10g程度と、とても小さく猫に襲われたらひとたまりもないかもしれません。かろうじて致命傷を裂ける事ができたというところでしょうか。それでも、お腹から膝にかけて皮膚が裂けてしまいました。

裂けてしまった皮膚を縫合して、抗生剤を投与・・・出来る事はしました。この子の生命力にかけるしかありません。


セキセイインコの腹部ヘルニアと卵閉塞

20170329

今回ご紹介するのは、卵が二つ詰まってしまったセキセイインコさんのお話です。

鳥を飼われているかたはご存知の方も多いとは思いますが、雌の鳥は伴侶がいなくても無精卵を産む事があります。
そして、発情と産卵を繰り返すことで腹筋が裂けて内臓が出てきてしまう病気、「腹部ヘルニア」という病気があります。

これになってしまうと、お腹が膨れて来てしまいます。

それ以外に症状がないこともありますが、場合によっては致死的なイベントが起こる事もあります。

例えば、腸閉塞です。裂けた場所に腸管が落ち込んでしまいねじれてしまうと便が出なくなって急死することがあります。

また、今回のように卵管が落ち込んでしまうと卵管が蛇行したり折曲がったりしてスムーズに出産が行えず、卵詰まりになってしまうことがあります。

今回は無事に二個とも手術なしで摘出することができましたが、開腹手術をしなければならない場合もあります。

何度もお話してはおりますが、基本的には発情しないような飼育環境を整えてあげる事が大切なのかなと思います。(なかなか難しいですけどね・・)


セキセイインコの肥満

20170223

今回ご紹介するのは、セキセイインコさんの肥満のお話です。

冬の健診で思った事の一つとしては「肥満」の動物が多いということでしょうか。

大手動物用フードメーカーの日本ヒルズによると、動物病院に来院された犬の50%以上、猫の45%以上が肥満だと言われています。

霞を食べて太る動物はいないし、外で狩りをして生活しているペットもいないので、基本的には肥満の原因は飼い主側にあると考えられています。運動不足やご飯やおやつの与え過ぎ・・・。

肥満による弊害は人間でよく知られていると思いますが、これは他の動物種でもほぼ同じです。しかしながら、この弊害をお伝えしてもダイエットに成功する動物はほとんどいません。

その原因は、飼い主側のダイエットに対する意識の問題であって、肥満による病気のリスクを理解し、食餌を制限すればいいという単純な方法論的な問題ではないのかもしれません。

きっと、愛するペットにご飯やおやつを与えることの喜びと、与えないと可哀想いう強い想いがダイエットを失敗に導くのではないでしょうか。
この両方を満たさないとダイエットはうまくいかないのかもしれません。


ブンチョウのコクシジウム

20170207

今回ご紹介するのは、健診で来院されたブンチョウさんのお話です。

そこまでブンチョウの中で蔓延しているわけではありませんが、コクシジウムという寄生虫が便の中から検出されることがあります。

このコクシジウムという寄生虫に完成している状態でも、ほとんどの症例で症状がみられません。ときどき、血便や便がゆるいなどの症状がみられることがありますが、そこまで問題となる病原性はないものと思われます。

便を排泄後すぐには感染力は無いものの、しばらくすると感染力をもち他のブンチョウさんにもうつってしまいます。乾燥にも強く長期間環境中に生存すると言われています。

セキセイインコのマクロラブダス症

20170203

今回ご紹介するのは、セキセイインコのマクロラブダス症のお話です。

かなり前にセキセイインコのマクロラブダス症について記載しましたが、日常的に遭遇するので、是非みなさんにももう一度確認して欲しくて再度紹介させていただきます。

当院に初めて来院されるセキセイインコさんの約6割以上でマクロラブダスの感染症が確認されています。それぐらい蔓延している感染症の一つです。

マクロラブダスは真菌の仲間、つまりカビの一種でセキセイインコの胃の中で暮らしているのですが、時間の経過に伴って症状が出てきてしまいます。

早期発見によって完治することが多いのですが、大人になって症状(胃炎による嘔吐や食欲不振)がでてからだと予後もあまり良くない事があります。
(このカビをお薬で駆除できたとしても、吐き気が治らない場合もあります)

残念ながら、ペットショップで元気そうに見えるセキセイインコさんでも感染していることが多い病気なので、ご家族として迎えられて新しい環境にも落ち着いたら一度、病院で検査されることを強くお勧めします!

セキセイインコに限らずですが・・・

ニシアメリカオオコノハズクの外傷性角膜潰瘍

20170131

今回ご紹介するのは、左目がシバシバしているニシアメリカオオコノハズクさんのお話です。

ニシアメリカオオコノハズクは北米大陸に広く生息する小型のフクロウです。
性格は比較的大人しく、ペットとしても人気があり、日本国内でも繁殖して販売されております。

そんなフクロウさんですが、左目をシバシバさせているということで来院されました。どうやら急な動きに対して驚いて羽ばたいたときに眼を傷つけてしまったようです。

検査をしてみると、確かに眼球表面の角膜が一部剥がれてしまっていました。
そんなに重症ではなさそうなので、目薬で経過観察で大丈夫でしょう。

フクロウをアンクレットで係留することが一般的になっていますが、今回のように急な動きに対応するのが困難だったり、様々な問題が報告されていますので、使用には十分ご注意くださいね!

セキセイインコの卵巣卵管摘出

20161227

今回ご紹介するのは、お腹がポンポンに腫れてきたセキセイインコさんのお話です。

セキセイインコの雌の場合、お腹が腫れてくる病気の多くは繁殖関連の病気だと思われます。その内の一つが今回の病気、卵巣に液体がたまってお腹がポンポンに腫れてくる卵巣膿胞というものがあります。進行に伴い呼吸困難や食欲不振、排便困難、脚麻痺などいろいろな症状がでてきてしまいます。

そして、卵詰まりのときにもお話しましたが、この病気になってしまう原因が「発情」だと言われています。発情をコントロールすることができれば、卵詰まりや卵巣・卵管の病気を予防できることになります。

発情を抑制するためにも、是非とも知っておいて欲しいのは・・・

常にご飯をモリモリに置いておくのをやめる

ということです。

健康なセキセイインコの適正体重はだいたい30-35gとおもわれますので、その辺りを目標に体重の維持を心がけると良いと思います。そのために必要なご飯の1日量はだいたい体重の10%程度です。その量を一日に2-3回程度に分けて与えてもらっています。(僕らや犬と同じように決まった量を決まった時間に)

しかしながら、現在太っている(40gを越えている)セキセイインコさんの急激な食事制限は危険です。そういう子は一度、ご来院頂いて、飼育方法や今後の食餌管理に関して一緒に確認しきましょう。


セキセイインコの卵詰まり

20161218

今回ご紹介するのは、元気無くうずくまっているセキセイインコさんです。
動画はこちら

毎年書いていますが、冬は飼い鳥達も卵詰まりの季節のようです。発情を繰り返す雌のセキセイインコさんはこの時期、卵詰まりで来院されます。

次のようなセキセイインコさんはご注意ください。

・発情している
・卵を産んでいる
・うずくまっている

基本的にはオウム類は1日おきに産卵します。
フィンチ類は毎日産卵します。
産卵数は鳥のよって異なりますが、セキセイインコさんの場合1クラッチで4−6個ぐらい産みます。

なので、この法則を知っていると卵詰まりをいち早く察知することができます。(例外はあります)

あとは、体重を計っておくことも大切です。
(卵をもっているか分かることがあります)

卵詰まりは難産と同じです。
放置しておくと死んでしまうこともあります。

おかしいなと思ったら、早めの来院をお勧めします。
卵詰まりの、処置は鳥さんも大変です。
動画にあるような感じで処置をしていますので、負担も大きいです。
予防が第一!発情させないような飼育方法を一緒に学んで行きましょう。


セキセイインコのくる病

20161208

今回ご紹介するのは、嘴の噛み合わせがおかしいセキセイインコさんのお話です。

成鳥での嘴の変形に関しては以前もご紹介しました。その時の原因は肝不全でした。(嘴の材料である蛋白質を合成する工場である肝臓が悪くなったせい)

それに対して、今回の嘴の変形は幼少期に起こってしまうものでいわゆる「栄養失調による病気」に該当します。犬や猫はこういった栄養失調による病気はほとんど無くなりましたが、鳥類や爬虫類やその他の小型哺乳類ではまだまだ多いように思います。

鳥類のヒナは哺乳類の5倍の速度で成長すると言われています。そのため、成長期には多くのカルシウムを必要とし、食餌に含まれるカルシウムが不足すると骨の成長に異常をきたしてしまいます。この病気を「くる病」といいます。

今回のセキセイインコさんも急激な成長に対して、給餌に含まれるカルシウムが不足していたものと考えられます。親鳥が食べているご飯に問題があるか、粟玉など栄養が不十分なご飯で人工的に給餌した場合、くる病になってしまいます。

成長にともなって、元に戻る場合もありますが、そのまま生涯をすごさなければならない場合もあります。特に骨に大きく変形がみられる場合は難しいとおもわれます。カルシウムが過剰でもなることがあるので、バランスのとれた各社パウダーフードを最初から与える方が無難かもしれません。


オカメインコの翼の腫瘤

20161126

今回ご紹介するのは、翼にこぶが出来てしまったオカメインコさんのお話です。

鳥さんも身体のあちこちに腫瘤ができることがあります。

犬や猫と同じように、腫瘤の原因にはいくつかあります。

その一つが、皆さんもよくご存知の「腫瘍」ですね。
このように大きくなってきます。

鳥さんの場合、体表にできる腫瘤は悪性の場合も多いと言われています。
猫も悪性の割合が高いと言われています。
犬の場合は良性が多いと言われています。

触っただけでは、なんとも言えない事も多いので、基本的には外科的に切除することをお勧めしております。

今回のオカメインコさんも、翼に瘤ができたということで来院されました。
手術にもあまり時間がかからないので、そのまま外科的に切除することになりました。

術後も経過順調です。切除した腫瘤は病理検査でしっかりみてもらい、良性の腫瘍だということで診断がつきました。全身が羽に覆われているため、瘤があるかどうかは、普段から鳥さんと接しているか、健康チェックで来院されるかが早期発見につながると思います!

セキセイインコのビタミン欠乏

20161116

今回ご紹介するのは、立てなくなったセキセイインコさんのお話です。

人も医療や公衆衛生が発展するにともない、栄養性疾患や寄生虫感染は減少してく傾向にあります。動物の場合は動物種にもよりますが、だいたい同じような傾向にあると思われます。

今回のセキセイインコさん、立てなくなったということで来院されました。
動画にあるように苦しそうに呼吸をして、上手く立てずにうずくまってしまっています。
動画はこちら

 

飼育環境を確認してみると、粟玉で飼育されていたということで添加されている栄養剤の有無なども確認するに、チアミン欠乏などビタミンB郡の欠乏症が疑わしいと判断されました。

こういう間違った飼育方法が教えられている状況をみると、最低限分かっている正しい飼育法を発信していかなければならないのを意識させられます。栄養性疾患がみられるということは、鳥の臨床はまだまだこれからなのかもしれません。

このセキセイインコさんは飼育方法を改めてもらって、すぐに良くなりました!
動画はこちら


ウズラの卵詰まり

20161109

今回ご紹介するのは、卵を産まなくなったウズラさんのお話です。

ペットショップによってはウズラを販売されているところがあります。やはり、小さい時から飼育していると飼い主さんにもかなり慣れてくれます。雌の場合は卵を産んでくれるのも飼育するたのしみかもしれませんね。

鳥さんの卵詰まりは一年中起こる可能性はありますが、特にこの寒くなる季節に多く見られるような気がします。日光浴とカルシウム代謝の関係があるのかもしれません。

今回のウズラさんも女の子で毎日のように卵を産んでくれていたけど、ここ最近卵を産まなくなって、徐々に元気も食欲も無くなってきたということで来院されました。

産卵停止を起こす病気はいくつかありますが、まずは卵詰まりを疑ってお腹を触診してみます・・・やはりありました!何やら固いものが・・・。

一応、レントゲン検査で卵の確認をします。
やはり、卵でした。でも形状がいびつで正常な形ではありません。

触診した感じでは圧迫で卵をだせそうなので、そのまま圧迫して産卵のお手伝いをします。無事、取り出すことができましたが、どうやら腐敗していたようで、産卵停止はこれが原因だったとおもわれます。

その後、元気になってまた普段通りに卵を産み始めたそうです!


羽のストレスライン(オキナインコ)

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今回ご紹介するのは、鳥の羽の異常の一つ、ストレスラインのお話です。

鳥さんの羽の異常はいろいろあり、それによってどういう病気の疑いがあるのか、ある程度わかります。あとは、他の各種検査結果をもって総合的に判断します。

さて、今回は羽の「ストレスライン」についてですが、名前にあるようにその鳥さんにストレスがかかっているときに羽で形成されるラインです。

ということで、これは実際に写真をみてもらうと一目瞭然。
これでイメージすることができたのではないでしょうか。

羽の成長途中でその時期に何らかのストレスが加わっているとこのようになります。例えば、肝不全や栄養不良、感染などが考えられます。
「今は生命維持のために栄養を消費してギリギリの毎日・・・なので羽にまで栄養を回す余裕が無い!!」
そういったところでしょうか。羽がなくてもすぐに死ぬわけじゃないので、後回しになるのでしょう。

みただけで分かる異常は案外多いです。
知っておくだけでも、自宅でできる簡単な健康のバロメーターになるはず。
あと鳥さんは特に、日々の体重測定は忘れないでくださいね!!

セキセイインコの糖尿病

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今回ご紹介するのは、糖尿病になってしまったセキセイインコさんのお話です。

「鳥にも糖尿病があるんですよ」

ってお話すると、その意外性に驚かれる方も多いと思います。
犬や猫でも糖尿病の説明をするときに驚かれることもしばしば。

現在では生活習慣病の一つとされている「糖尿病」は、もはや人間だけの病気ではなくなってしまっているのです。

コンパニオンバードでの報告はオカメインコ、セキセイインコなどいくつかの種で報告されていますが、その発症要因には不明な点も多く、まだよくわかっていません。従って、治療法もまだ明確なものはありませんが、基本的には犬や猫、そして人間の医療の知識を活かす他はありません。

糖尿病は読んで字のごとく、尿の中に糖分が流れ出てしまう病気です。食べても食べても糖分は細胞へ十分に吸収されません。やがては痩せてきてしまいます。また血液中に糖分が過剰に含まれているため、浸透圧の関係で利尿が起こり、多尿になってしまいます。

今回のセキセイインコさんも、同じような症状で来院されました。
最初は下痢をしているということで来院されましたが、みてみると下痢ではなく多尿という症状でした。尿検査をしてみると、糖分が尿中に多く含まれていました。糖尿病の可能性が高く、検査を実施し、糖尿病と診断されました。

人間のようにインスリン注射は難しいので、内服薬で治療を開始しました。
なかなか完治は難しい病気なので、血糖値をある程度正常にコントロールすべく長期的な治療が必要となると思います。(治る場合もありますが・・・)

セキセイインコのバンブルフット

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今回ご紹介するのは、足の裏がボコボコになってしまったセキセイインコさんのお話です。

どの動物達も足裏に問題を起こすことがあります。しかしながら、足裏に問題を起こしやすい動物種というのがあります。こちらでもご紹介しているウサギ、モルモット、デグー、半水棲のカメ、そしてセキセイインコなど鳥さんではとても多いと感じています。

今回のセキセイインコさんも左の足底部が腫れてしまっていました。このセキセイインコさんは普段から左に傾いて止まり木にいることから、右足に体重を乗せるのに不都合があると考えられます。

左足にほぼ全体重を乗せているため、過剰な負荷がかかってこのようになってしまったと考えられます。

一般的には骨折や関節炎による痛みや、腎不全や精巣腫瘍などによる坐骨神経麻痺から片足に体重が乗せる事ができなくなり、今回のように反対の正常な足に問題が起こってしまいます。

あと、両足に見られる場合は肥満や不適切な止まり木、不衛生な環境などが原因として考えられます。

いずれの動物もケージや水槽などごく限られた空間で生活することが共通としてみられ、運動不足に陥りやすく、長時間同じ姿勢でいることが原因となって発症に至ってしまう・・・人工的な飼育環境下特有の病気の一つなのかもしれません。


セキセイインコ・オカメインコの結膜炎

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今回ご紹介するのは、目の周りが真っ赤に腫れているセキセイインコさん達のお話です。

写真をみるかぎり、とても痛々しい感じがしてしまいます。
実際に、眩しそうに半分目を閉じたようにしたり、片目だけつむってしまったり、そういった目に違和感を感じているときに見られる症状もみられます。

ウサギやトカゲやモルモットなど、いくつかの動物では目に問題がある場合、その原因は口の中にあることが多いというお話を以前にしました。
(もちろん、そうじゃない場合もあります。)

今回のセキセイインコやオカメインコさんの場合はというと、副鼻腔という鼻腔の奥にある場所に問題があると、今回の結膜炎のように目に問題を起こしているケースが多いように思います。

なので、今回のケースでも目に問題があるように見えるけど、目薬はしません。(実際に自宅で鳥さんの小さい目に点眼はなかなか大変!)

副鼻腔炎の治療をします。

お薬が効いてくれれば1週間ぐらいで大分腫れも赤みも引いてきます。

犬や猫の診療の感覚で治療をすると、やはり目薬を処方してしまいそうです。(きっと、人のお医者さんでも)
こういうのは、鳥の臨床を知っているかどうかだけで治療結果が異なる病気の一つかもしれません。

鳥の足環・足輪にご注意!

20160731

今回ご紹介するのは、鳥さんの足輪・足環についてのお話です。

個体識別の目的もあって、足先に足輪を付けている鳥さんがいます。おそらく、購入されたときにすでに装着されていたのをそのままにされている方がほとんどかと思いますが、無難なことをいうと外してあげた方がいいと思います。

問題を起こさないケースも多いのですが、場合によってはそのままだと擦れて炎症を起こしたり、気にしてかじったり、絞扼を起こして足先がパンパンに腫れてしまったりすることがあります。

コンパニオンバードとして自宅でご家族として一緒に過ごされるのであれば、基本的には個体識別の必要はないと思いますので、外してあげることをお勧めします。

ブンチョウなど小型の場合はプラスチック、中型インコ以上になるとアルミニウムなど簡単には切れない材質になるのでご来院いただいて切断する必要があるかもしれません。


セキセイインコの足の骨折

20160604

今回ご紹介するのは、高いところから落ちて足の骨が折れてしまったセキセイインコさんのお話です。

空を飛ぶ事ができる鳥なのに、高いところから落ちて足の骨を折ってしまう事なんてあるの?

鳥を飼育された事が無い方にとっては、確かにこれは当然の疑問なのかもしれません。その一方で、鳥を飼育されたことがある方なら、こういう事故が起こってしまうのは普通に「ありえる」上に、その理由もわかるのではないでしょうか。

その理由とは・・・翼の一部を切ってしまうからです。

翼を切る理由としては、室内で放鳥したときに窓やドアから逃げて行かないようにするためや、放鳥時に捕まえやすくするため。

それに対して、鳥さんは「自分は当然飛べるもの」として、高いところからでも構わず飛び立とうとしますが、上手く飛ぶ事ができずそのまま落下して、足に強い衝撃を受け、骨折してしまいます。

飼育環境によっては、骨がスカスカになってしまい、骨折しやすい状態になっていることもよくあります(以前の症例参照)。

今回のセキセイインコさんも、高いところから落下して足の骨が折れてしまいました。折れた方の足を挙げて、骨折したときになるどす黒い内出血の跡が確認されました。

レントゲン検査をしてみると、やはり足骨中足骨が斜めに折れていました。骨のズレはひどくなく、ギプス固定で様子をみることにしました。

それから2週間、経過は良好でもう普通に歩くことができるまでに改善していました。確認のレントゲン検査でも骨は綺麗にくっついており、ギプスを外して経過観察となりました。

翼の一部を切ることは、大きなデメリットがあります。
その点をよくよく考えて、するかどうか考えてみてくださいね。

大型鳥の健康診断

20160524

今回ご紹介するのは、ヨウムさんの健康診断です。

当院に来院される小型鳥で一番多いのはやはりセキセイインコでしょうか。次にオカメインコと続きます。

それに対して大型の鳥で一番多いのはやはり、ヨウムです。
次に、タイハクオウムやキバタンなどの白色オウム、その次にボウシインコ、モモイロインコでしょうか。

大型の鳥となると、みんなとても個性的です。
お利口な子も多く、僕たちも癒されたり、テンションがあがったり!

今回はヨウムさんの健康診断をご希望されました。
初めてということもあり、今回はほぼフルコースで検査させていただきました。

体重をはかって、触診、視診、便検査、そのう検査、血液検査、レントゲン検査、そして病原体の遺伝子検査。

多少、気になるところはありましたが、ほぼほぼ健康でした!
終始、検査には協力的で僕らも助かりました。

特に問題なくて良かったね!
約半年に一回の健康チェックをオススメしています。
また、定期的にみせてくださいね!


ハトの甲状腺腫

20160328

今回ご紹介するのは、喉のあたりがポンポンに腫れてご飯を食べることができなくなったハトさんのお話です。

まずはこのレントゲン写真をご覧下さい。

これが腫瘍だとしたら・・・外科的に切除するのにかなり躊躇してしまうような場所にできてしまっていました。
肺や気管などの胸の入り口にさしかかるような場所です。

そうじゃなくて本当によかった・・・。

ハトの甲状腺腫ではコブが明確になり、腫れてこんなふうに気管を蛇行させてしまうようです。
セキセイインコなどでも、レントゲンとるとそんな感じに写りますが呼吸が荒くレントゲンをとるのも危険です。

食餌管理と甲状腺のお薬を飲んで良くなりました。
劇的にコブが無くなっていました。

現在は投薬を止めて、食餌管理だけで大丈夫そうです。

ヨウムの卵詰まり

20160319

今回ご紹介するのは、お尻から何か出そうで出ないヨウムさんのお話です。

今回のヨウムさんは約3年前に当院で首にできた腫瘍の摘出手術をされたヨウムさんです。(写真参照)
あれから再発もなく、元気に過ごしているようでしたが、今回はまた様子がおかしいという事で来院されました。

うずくまって、元気がなさそうで、ご飯もたべず、便をしたそうにするけどうまくいかないような・・・(じゃあ、あの病気かな?)そしてお尻から何か出ては引っ込んで・・・(やっぱりあの病気じゃない?)。
お腹を触ってみると、ちょっと固いものが・・・(やっぱりあれだ!)。

カルテには14歳男の子ってあるけど・・・(じゃあ違うのかな・・)

レントゲンを撮ってみると、やはりありました!
卵詰まりです。

毎度のことながら、卵詰まりは難産なので・・・というお話をさせていただき、その後、卵を出しました。人間でいう「子宮孔がまだ開かない!」みたいな感じでしょうか。卵が少し見えているけど、出口が狭くて自力では出す事ができないような状態でした。

ちょっと大変でしたが、卵の中身を吸引して殻を割って卵を小さくしてから出しました。胎児だとそうはいきません。無精卵だからこそ壊しても大丈夫なのです。

次の日には元気にいつも通りしているとのことでした。


セキセイインコの血便

20160313

今回ご紹介するのは、血便がみられたセキセイインコさんのお話です。

僕ら人間とそれ以外の動物では「血便」で抱くイメージ、緊急度は大きく異なるのではないでしょうか。おそらく、自分が血便だったとしても一過性の場合はそんなに気にしない、様子をみても自然と良くなるぐらいにしか思っていない方がほとんどだと思います。それに対して、自分が飼っているペットが血便をしていたら、「大変だ!すぐに病院につれていかなきゃ・・」と心配になるかたが多いのではないでしょうか。

人間と動物では同じ「血便」でも自分が経験してどの程度の異常なのか、感覚的に分からないから、余計に心配になるのではないかと思っています。

実際に、人間と動物では血便が意味する病気は異なる場合があります。
例えば今回のセキセイインコさん、血便を主訴に来院されました。

みてみると、便に赤いものが付着しています。
顕微鏡でみてみると、確かに赤血球が確認されました。どこかで出血が起こっているようです。
鳥さんの場合、便に血液が付着していたとき、総排泄腔や卵管、尿管からの出血が便に付着して排泄された可能性があります。

また、このセキセイインコさんは嘴に内出血のあとがみられたため、肝機能不全から出血傾向になっている可能性が考えられます。

つまり、肝臓が悪くなってどこかで出血がおこり、便に付着して血便のようになっていたということみたいです。
なので、今回のセキセイインコさんは整腸剤のような消化器系のお薬ではなく、肝臓のお薬を飲んだら、出血も治まり良くなってくれました。


マメルリハのマクロラブダス症

20160215

今回ご紹介するのは、何度か登場しているマクロラブダス症のお話です

当院に来院されるコンパニオンバードとして一番多いのはやはり、セキセイインコさんです(来院される鳥さんの半分以上)。そして、セキセイインコさんの病気でかなり蔓延しているのが今回のマクロラブダス症です。
このマクロラブダス症はどの鳥でも問題を起こす訳ではなく、日本では一番多いのはセキセイインコ、次にマメルリハでも比較的多く確認されています。

今回のマメルリハさんも、健康診断で来院されて偶然確認されました。
購入されて間もなく、健康診断に来院されたので症状がない状態で発見されたため、治療もすごくスムーズで予定通り終了しました。

まだまだ、健康な鳥さんを病院で診察して健康チェックすることが一般化していないので、残念ながらそうとは知らずに重症化してから来院されるケースが後をたちません。

その場合は、助からないケースも多いです。

マクロラブダス症では嘔吐や食欲不振、それに今回の写真のように「粒便」という食べた種子そのままの便が出てしまう事があります。食べたものを細かくすり潰す場所、「筋胃」の機能不全が原因でこういった消化不良の便が出てしまいます。

当然、食べているようで食べていないのと同じでこのままだと痩せてきてしまいます。やはり、早期発見・早期治療による予防診療はとても大切です。


左脚を挙げているセキセイインコ

20160209

今回ご紹介するのは、左脚を挙げているセキセイインコさんのお話です

左脚を挙げているということはその動物にとって何を意味する動作だと思いますか?

おそらく僕も皆さんと同じような考えですが、「左脚に体重をのせて着地すると痛い」ということだと思われます。従って、骨折や脱臼などそういう強い痛みが起こる原因を追求すべく触診やレントゲン検査をしていきます。

ただ、鳥さんはちょっと違う理由からこういった症状がみられたりします。
ほとんどの鳥さんの卵巣と卵管は、なぜなのかわかりませんが「左側」しか発達しません。また、鳥さんの卵巣や腎臓や精巣は骨盤に近く、これらの臓器が腫れてしまうとその付近にある「座骨神経」という太い神経を圧迫して、問題がある方の足が痛くて着地できなったり麻痺がみられたりします(座骨神経痛って聞いたことありませんか?)。

今回来院されたセキセイインコさん、左脚を挙げている原因は骨折かな?ぐらいのつもりで触診してみると、お腹の中に卵がありました。卵詰まりです。
一応レントゲン検査をしてみると、骨折はなさそうです。

卵詰まりはいわゆる難産です。全身状態を確認してすぐに卵を取り出しました。

それから、しばらくして左脚をあげるのをやめて普通に元気に両足で歩き出しました。鳥さんの脚麻痺は案外多く、その原因は分からないことも多いのですが、今回はたまたま原因が分かって良くなってくれました。


アフリカワシミミズクの上部気道感染症

20160205

今回ご紹介するのは、鼻水が出ているアフリカワシミミズクさんのお話です。

くしゃみをして鼻がブーブー鳴っているということで来院されたアフリカワシミミズクさん。まずは体重計の上に止まってもらって、体重をはかります。

一応、痩せていないか触診します。
問題無し。

このままタオルでくるんで、鼻水を吸引して検査します。

「くしゃみをしている」ということは、鼻腔を含む上部気道に感染症や異物などによる分泌物がありそれを排除しようとしていることを意味しています。なので、その辺りを検査していきます。

鼻水を染色して顕微鏡で観察してみると、白血球や赤血球など各種炎症細胞が確認されました。球菌や桿菌などの細菌が白血球に食べられているところもありました。おそらく、細菌感染をおこしているものと考えられました。

従って、抗生剤を飲んで経過を観察することに。

上部気道感染症も進行すると肺炎や鳴管炎など下部気道感染症に至る可能性があります。そうなると命に関わりますので、そうなる前にしっかり検査をして治療していきましょう。

ヒメウズラの指先の絞扼

20160201

今回ご紹介するのは、指先に綿の繊維が絡まってしまったヒメウズラさんのお話です。

実はこういった問題、ハムスター、フクロモモンガ、鳥などいろいろな小動物でみられます。特に、冬の時期、寒くなると寝るときに暖かくしてあげようという飼い主さんの優しさから起こってしまう悲劇なのです。

ペットショップで普通に売っている綿布団。確かに温かそうなパッケージで、飼い主さんも寝床にいれてあげればきっとあたたかいに違いない!

そう思ったのかもしれません。

しかしながら、非常に残念なことに、綿の細い繊維が動いているうちに指先や腕や足に絡まってしまい、絞まってしまいます。そうすると、その先への血流が遮断されてしまい時間とともに組織が壊死を起こしていきます。

早く気がついていあげれば、処置によって元に戻る可能性もあるのですが、黒く色が変色してしまうとどうすることもできません。壊死して自然と脱落するのを待つしか無いような状態です。

今回のヒメウズラさんも残念ながら、気がついたのは指の色が黒く変色してしまってからだったので、絡まった糸をとってはみたものの元に戻る事はありませんでした。

ペットショップで普通に売っているので、安全なものだという認識で使用されている方も多いとは思いますが、こういった事故を起こした例が何例もあるので今一度ご確認くださいね。


タイハクオウムの腺胃拡張症(PDD)

20160126

今回ご紹介するのは、オウムの腺胃拡張症という病気のお話です。

この病気はこれまで原因が不明で治療も困難な病気でした。「でした」と過去形にするにはまだまだ分かっていないことも多いのですが、ここ最近(2009年の報告)になってPDDの原因が「ボルナウイルス」というウイルス感染が原因で発症している事が感染実験によって証明されました。治療の方はというと残念ながら完治が期待できるものではなく、徐々に消耗していずれは亡くなってしまう病気として位置づけられています。

このウイルスは神経が好きらしく、中枢神経や末梢神経に感染します。感染力はそこまで強くないようですが、感染が成立した場合、こいつらをやっつけるのは困難で、頑張って付き合っていくしかないのが現状です。

症状としては消化管症状(食欲不振、嘔吐、下痢など)と神経症状(歩行異常、運動異常、痙攣など)がみられます。特に、この病気の名前にあるように、鳥さんの二つある胃の内の一つ「腺胃」という胃がひどく膨張するのが特徴的で食べたものが胃で停滞してしまい、上手に消化吸収できなくなってしまいます。

こういった症状やレントゲン検査での腺胃の拡張、ボルナウイルスの遺伝子検査で診断する事ができるようになりました。
治療はというと、消耗しないように専用の食餌を食べたり、神経炎を抑える抗炎症剤を使用したりして治療を頑張っていきます。これ以上有効な治療法がみつかっていないため、今後の情報の集積と有効な治療法の発見が望まれます。


コザクラインコの自咬症

20160121

今回ご紹介するのは、自分の体を齧らずにはいられないコザクラインコさんのお話です。

自分で自分の身体を傷つける行為を自咬症といいます。これは人間でのリストカットなどの自傷行為と同じものだと考えられます。残念ながら、動物は話すことができないので、その原因を特定してカウンセリングすることはなかなか困難なのが現状です。

しかしながら、自咬症が人の自傷行為と同じものだとするのなら、その原因も似たようなことが考えられます。つまり精神的なストレスを和らげるために鳥も自傷行為を繰り返しているのではないかと。(自傷行為によって脳内麻薬であるβエンドルフィンが分泌されます)

ただ、その精神的なストレスというは動物の場合もいろいろあります。寒い・暑い、うるさい、自由に飛べない、同種または飼い主さんとのコミュニケーション不足、いじめ、分離不安、性的欲求不満、恐怖などなど。

また、ボタンインコ類などでは自咬症を発症しやすいことから、種によっては遺伝的な背景がある可能性も示唆されています。他にも、幼鳥時に親鳥との十分なコミュニケーションをとる時間が少なく、早期に店頭に並べられるとストレス耐性が低く問題行動を起こす可能性が高くなる事も言われています。

治療としては、出血を繰り返している場合にはとりあえずエリザベスカラーを使用して強制的に傷をひどくするのを止めさせます。それと平行して自傷行為に及んでいる原因となるストレスとは何なのか、時間をかけてそのストレスを減らしていく努力が必要ですが、実際のところそのストレスをすべて取り除くことは困難であり、お互いの妥協点を見つけて付き合っていくような形を今のところはとらせてもらっています。残念ながら、エリザベスカラーを外すと自傷行為が再発することが多くそのまま継続することも多いのが現状です。


ご飯を食べなくなったオカメインコの雛

20160113-2

今回ご紹介するのは、ご飯を食べなくなってしまったオカメインコさんのお話です。

鳥を飼育されているかたでも、挿餌が必要なくらい小さい状態から育てた人はそんなに多くはないのではないでしょうか。

小さい子はどの動物もとても弱く、ちょっとしたことで命を落としてしまいます。ちょっと寒かった、ちょっとご飯をあげるのを忘れていた、ちょっと下痢していた・・・などなど。
細心の注意を払っていたとしても、亡くなってしまう事もあります。

今回のオカメインコさんも自分からご飯を食べなくなってしまい、体重が減ってきてしまいました。産まれて10日前後、体重が30g前後の小さい命です。一度、調子を崩すと持ち直してくれることはなかなか難しいことも多いのが現状です。

すぐに入院して、30℃の保温室に移動します。
そして、強制給餌用の餌をチューブでそのうの中まで入れてあげます。
一緒にお薬も混ぜます。脱水もしているようなので、点滴もしてあげます。

それを、4時間おきぐらいにそのうの膨らみを確認しながら、良くなってくれるようにみんなでおまじないしながら、その時を待ちます。

それから3日後の朝。
飼育ケージの蓋をあけると「腹へって仕方ないからご飯をよこせ!」と言わんばかりに大きく口を開けて鳴いていました。
退院の日は近そうです。
動画はこちら

 

その後早いもので、退院してから1ヶ月。

特に問題なくご飯もモリモリたべて、元気いっぱい。

体重は80gに。

もう、ほぼ成鳥です!